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2004年11月14日
ラジオでオペラ1:『ウェルテル』 マスネ
本日、例によって Radio Tre でオペラの放送がありました。今日の放送はマスネの『ウェルテル』でありました。
キャストは、
Werther:Marcelo Alvarez
Charlotte:Ruxandra Donose
Albert:Ludovic T?zier
Sophie:Sally Matthews
Le Bailli:Jonathan Veira
Schmidt:Gilles Ragon
Johann:Darren Jeffery
オーケストラ&合唱:Royal Opera House
指揮:Antonio Pappano
演出:Benoit Jacquot
美術:Charles Edwards
衣装:Christian Gasc
今回は2004.10.2の録音でしたが、結果は大成功でした。マルセロ・アルバレツ(アルバレス?)のウェルテルのアリアは、飛行機の上のオーディオで聴いた事があり、期待のウェルテルでした。
実際は、やはりラテン系(たしか彼はアルゼンチン人だと思います)、ライヴは熱くなっておりまして、飛行機の中で聴いたときより、情熱系になっておりました。
しかし、今日思い出したのは、モデナのテアトロで聴いた『ウェルテル』です。
ウェルテルがジュゼッペ・サッバティーニ、アルベルトがロベルト・デ・カンディア、シャルロッテがソニア・ガナッシと、モデナで聴くには、当時最高のキャストと言っても良い陣容でした。
ところが!フィスキア(口笛…ブーイングと同意味)が出てしまったのです。餌食になったのは、サッバティーニでした。
その直後、モデナに住む高名な声楽教師とお話ししたのですが、眉をしかめて、
『サッバティーニがフィスキアされたんだって?』
『あ、はい…残念ながら。』
『しかし、彼はブラーヴォだろう?』
「勿論です。』
彼は“納得出来ん!”と言う顔をしたまま、黙ってしまいました。
実は、私も劇場で観る迄は、「サッバティーニはアルフレード・クラウスの後、最も期待出来るウェルテルに違いない!」と心待ちにしていたのでした。
しかし、観た結果は「フィスキアした人達の気持ちは分る。」と言うものでした。
なぜか?
ラテンな(サッバティーニはローマっ子です)、暑っ苦しい、汗をかきながら、恋に悶え苦しんで死んで行く男なんぞ、見たかねぇやっ!…だからです。それがウェルテルなら、なおさらです。
やっぱり、ヴォルフガング・ゲーテの書いた『ウェルテル』が原作ですから、やはり“夢”と言うか、そう言うものがある訳です。そう、やはり本の中の現実(?)なのです。
そりゃあ、恋にウジウジしている男が、それで最後は命を落としてしまう男が、実際美しいかっ?!と言われれば…皆さん、どうですか?別に飲み屋で愚痴を垂れているアホンダラ男を、想像しなくても良いですけど。
しかし、アルフレード・クラウスの、品があり、それでいてシャルロットへの思いの深さと、清潔さ!があれば、マスネが“夢(本)”を“現実(オペラの舞台)”に移したかった気持ちに賛成できます。
嗚呼、こんな事を書きながら、私の心の中で天使と悪魔が言い争っています!
「大した事の無い額の木戸銭払って、一人の人間が人生を懸け、命を懸けて歌っている歌に対して、なんと失礼な!」
「これはしたり!客の払ったお金をなんと心得る?一人一人が、一生懸命、仕事をして、それで得たお金と、彼らの貴重な時間を割いて劇場に通っているのだ。それこそ舞台を何と心得る?」
どちらが天使で、どちらが悪魔ですかって?
それは、あなた次第♪
投稿者 Mamoru : 2004年11月14日 22:34