« レナータ・テバルディ | メインへ戻る | 『Hermes』 ,ci picchia ! »
2005年02月11日
馴れ初め…
さて、みひゃえる君とは、我が家(モデナ)の車の事です。このたった1000ccの、小さなエンジンを持つ Fiat Uno のお陰で、どれだけ生活が変わったか、分かりません。バカバカしい話ですが、この小さいイタリア車を、私たち家族だけでなく、仲の良い友人達も、「みひゃえる君」と呼んでいます。
そもそも、私はイタリアで自動車運転免許証を取得した訳ではありません。それが今では、イタリアの免許証を持ち、イタリアのみならず、フランスやドイツ等を走り回れたのも、この子が来てくれたからです。
さて、私の家の大家さんは、取引をしている不動産屋さんをして、
『あの方は、特別に良い人だから…。』
と言わしめる程、真面目、誠実な人物です。そしてフレンドリーでありながら、付き合いはだらしなくならない、私がイタリアで最も信頼する人間の一人です。
彼は、私たちが初めて、不動産屋で契約の為、会った日に、そのまま私を家に招待して、食事を御馳走して呉れました。当時、身重だった奥さんは、旦那さんである パオロ(彼の名前)の車から、東洋人が出て来て、びっくり!予定外の招待客に、大慌てで食事の量を増やして、接待してくれました。
こうして始まった彼らとの交流は、私が日本に一時帰国すると言うと、
『その前に、食事に来ないかい?』
また、モデナに戻ると、
『じゃあ、ちょっと話でもしにおいでよ!』
と、事ある毎に会っては、彼らの家で食事を振る舞って貰う様になりました。
とある日、日本への一時帰国の前に、例の如く、彼らの家に招待されて食事をしたのですが、その帰り道での事、彼の車の中で、妻とトスカーナの丘の上の街、サン・ジミニャーノの話になりました。(彼の家と私の借りている家は、ちょっと遠いので、毎回、彼が車で送り迎えをしてくれていました。招待の上に送迎まで!…良い人過ぎです!!)
私:「実は妻がサン・ジミニャーノへ行きたいと言うので、トライしたんだけど、辿り着けなかったんだ。フィレンツェから途中のポッジ・ボンシまでは行ったんだけど、そこからのバスの接続が無くて。」
彼:「あぁ、それは残念だったね。素敵な街だから、是非、行ってみて。」
私:「けど、問題があるんだ。あそこ、鉄道が通じていないでしょ?妻は、プルマン(長距離バス)に弱いんだ。この前はフィレンツェからプルマンに乗ったんだけど、ポッジ・ボンシに着く前で、もうおかしくなっちゃって…。トスカーナの山道を、かなりのスピードで飛ばすしね。」
彼:「う〜ん、プルマンはキツイよねぇ…。」
そして、暫く違う話題に移り、そして突然、彼が、
「そうだ!ねぇ、クルマ要らない?」
と言い出しました。
私:「! はぁ?」
彼:「ほら、一度、ロレッタ(彼の奥様)が、食事の後、君を家まで送ったでしょ?あの時のクルマだよ。Fiat Uno。」
私:「あ〜、分かった。あの、グレーのだね?!」
彼:「…いや…青だよ…。」
私:「あ…あ、ほら、夜だったから、よく見えなかったんだ!」
古いクルマで退色していたから…なんて言えません!
彼:「で、もし良かったら、使わないかい?今、誰も乗っていないんだ。…あ、お金が欲しくて言っているんじゃないんだ。けど、奥さんとサン・ジミニャーノに行くのに、Uno だったら休み休み、行けるんじゃないかな?」
私:「えっ?!…けど…(ただで)なんて、ちょっと…。」
彼:「あはは、(あげる車は)フェッラーリじゃない! けど、すごく台数が売れた(人気のあった)ポピュラーな車だよ。」
この時は、帰国が迫っていたので、今度帰って来たら話そう、という事になって、分かれたのでした。
投稿者 Mamoru : 2005年02月11日 18:16