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2005年03月10日

ラジオでオペラ10:「サムソンとデリラ」

3月6日のメトロポリタンの放送です。

Samson:Jose' Cura
Dalila, sacerdotessa di Dagon:Denyce Graves
Il sommo sacerdote di Dagon:Jean-Philippe Lafont

Orchestra e coro del Teatro Metropolitan di New York
Direttore:Bertrand de Billy

と言う陣容。

他にヘブライの老人役でロバート・ロイド、アビメレク役にジェイムス・コートニー が出演していました。
どちらもベテランだそうで、こういう人達が、脇を固めると上演が締まります。
(ロイドは知っていましたが、コートニーは初めてです。)

さて、「サムソンとデリラ」を一番最近に聴いたのは、何年か前のミラノ・スカラ座のラジオ中継でした。
デリラを歌ったのがオルガ・ボロディナで、凄かった。

私の勝手な思い込みなのかも知れませんが、フランスもののメゾって、あんまり重たい声の印象が無いんです。
「カルメン」もソプラノ系の軽い人もやるし、「ウェルテル」のシャルロットも重い声のイメージが無い。

ところがボロディナは、さすがおろしゃのメゾ!深く、暗く、且つ大きい声。(に聞こえた。)
サムソンを誘惑する、小悪魔的妖艶な女…ではなく、悪魔的妖怪な女…あ、じゃないんですよ!
ええ、そんな事は無いんですが、その、ペリシテ人達が、

「あんな、怪力サムソンには、敵わない!」
「あぁ、どうしよう?そうだ!女だ!デリラを送り込め!」

と言ったのではなく、デリラが、

「サムソンの馬鹿力?ふんっ!力比べなら、任せて!!」

と出て来た様なイメージ…じゃない!あぁ、そうでは無くてですね、色気が無かった訳では無いんです。けど、

「サムソンの夜伽?…大丈夫、体力勝負なら負けないわっ!」

みたいな…。

あぁ…何を書いているんだ…orz。

で、その時のサムソンを誰がやったか覚えていない。確か、プラシド・ドミンゴだった様な…
(覚えておけよ!スーパースターだろっ?!)そして彼が、怪力馬鹿男ではなく、人間的弱さを持ち、
且つ、ペリシテ人を打ち破る為、神から怪力を授かってしまった男、を演じたため、ボロディナの迫力が倍増しちゃった感がありました。

あ、でですね、今回のデリラのデニス・グレイブスですが、立派な声で、ボロディナの様な暗さは無い。
声はこっちの方が、合っている感じ。

けれども…どうも、色気を感じない。これ、オケもそうなんですけど、フランスの管弦楽に良くある、
色気、と言うか、華やかさ、と言うか、そう言うものを感じない。

良く聴いていると、微妙なうねりが無いみたい。これはフルート1本だけが、とか、ヴィオラのパートだけが、とか、
そう言う問題じゃなくて、ここのパート、個々の奏者から、フランスらしいうねりが出ていないんだと思う。

これ、ウィーンフィルのワルツみたいに、他の国のオケじゃ、出ないのかな?けど、スカラ座のオケには、
そんな事、感じなかったなぁ。その点、ボロディナも上手だった。

サムソンのホセ・クーラは、近頃、イタリアでは聴いていません。どうなったかな?と思って聴きました。
う〜ん、声の状態は、あまり良くなっていないかな。ただ、ちょっと前に聞かれた、声のずり上げは、少なくなっていました。

この方、ちょっと(相当?)ナルちゃんの気(ナルシスト)があるらしく、ボディビルとかで体を鍛えて、
美しくあろうとなさっているとか。某テノールの様に、舞台の段差も登れなくなっちゃうのと違い、素晴らしい事です。

ですので、何年も前に(十数年前?)スカラ座でやった「カヴァレリア・ルスティカーナ」のトゥリッドゥなんか、
鳥肌もんに素晴らしかった。どんなにサントゥッツァが必死に御願いしても
『辞めてくれ。お前みたいな女は、オレには似合わないんだ!』
みたいに、自己愛が滲み出て、
『おお、こいつぁすげえ!』
と思ったものでした。

この役も、彼のナルから来る音楽のラインが、デリラのデニス・グレイブスとは違って、色気を感じさせる。
だから、役としては合っていると思いました。…あとは、声の状態。

ちなみに、下記の様なCDが出ているみたいです。
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歌劇『サムソンとデリラ』(全曲)
指揮: コリン・デイヴィス
演奏: ロンドン交響楽団
合唱団: ロンドン合唱団
サムソン: ホセ・クーラ(テノール)
デリラ: オリガ・ボロディナ(メゾ・ソプラノ)
ダゴンの大祭司: ジャン=フィリップ・ラフォン(バリトン)
アビメレク: エギリス・シリンス(バス)
老ヘブライ人: ロバート・ロイド
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大司祭のジャン・フィリップ・ラフォンは、オーケーです。まだ、若いのかな?
これからが楽しみな感じです。その他、男声陣は健闘。良い出来でした。

合唱は…、ちょっと荒れた感じを持つ場面も。ただ、実際の舞台だと、演出や舞台装置等、
色々な制限がありますので、なんとも。

今回は、前回の「ナブッコ」と違い、イタリアのリスナーからも、そんなに凄まじい投書はありませんでした。(苦笑)

投稿者 Mamoru : 2005年03月10日 11:39

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