« 2005年04月 | メインへ戻る | 2005年07月 »

2005年05月20日

ラジオでオペラ その14:これぞライヴ♪

さて、先日、ラジオにてオペラのライヴ放送がありましたので、テレビを消して、堪能させて頂きました。お題は『リゴレット』です。

Teatro San Carlo di Napoli からの生放送で、放送日は今月、5月17日(火曜日)でした。

出演者は、

Rigoletto:Ambrogio Maestri
Gilda:Ruth Ann Swenson
Duca di Mantova:Tito Beltra'n
Sparafucile:Konstantin Gorny
Zanetta:Chiara Chialli

Orchestra e coro del Teatro San Carlo di Napoli
Direttore:Antonio Fogliani
Regia:Giancarlo Cobelli
Scene e costumi:Paolo Tommasi

でありました。

結果は…これぞ、ライヴ!

まず、タイトル・ロールのマエストリが不調。ピッチが下がるんで、大変。
2幕に入って、アリア「悪魔め、鬼め!」は、さすが気合いが入って、ピッチも戻り、客席からも「ブラヴォー!」がドッと来ましたが、幕終わりのジルダとの2重唱が終わった時は、ちょっと客席が騒然としました。

え?なぜって?

…勿論、(1幕からでしたが)ブラヴォー隊らしき人達の「ブラヴォ!」に対して、「なんでじゃ?」の人達の不満声とブーイング
…その混乱が、客席全体に広がって、ドヨドヨっとしたのです。(笑)

このマエストリと言う歌手、私が初めて聴いたのは、ヴェローナの野外劇場でした。
やっていたのはヴェルディの『運命の力』で、彼の役はフラ・メリトーネでした。

やたら声がでかく、ただ、一本調子ぎみだった歌唱でしたので、まだ若手かな?と思ったら、一緒に行ったヴェローナの方が、
彼は肉屋の息子なのよ。声がやたら良いので、スカウトされたの。
ヴェローナでは、有名な声自慢の男だった模様。体もでかいし、声もでかい。

それで、記憶に残っていたのですが、あっという間に、スターダムへ駆け上った様です。
ある店でCDを見ていたら、彼の『ファルスタッフ(ヴェルディ)』があるではありませんか!
…なんと、まぁ…。
今では1流歌劇場から、引っ張りだこのプリモです。

さて、幕間にラジオ・トレのインタビュアーが、突撃インタビューです!それも、よりにもよって調子の悪いマエストリへです!!

…やるなよ、イタリア人…。

今回のレゴレットは、彼にとっては、まだ4回目だそう。
やはり、呼吸が上手くいっていない事を、認めていました。
途中、インタビュアーが「スタジオから質問はありますか?」と言うと、「いいえ、まずは休ませてあげましょう!」
…だったら、インタビューするなよぉ〜。

さて、ジルダは最高音になると、ヴィブラートが大きくなって揺れ始めて、ちょっと気になりました。ただ、アリア「慕わしき御名」は、豪快にブラヴァが出ていましたから、会場で聴くと、それなりの説得力か…お金を払ったか…?

ああ、そんな事を考えるワタクシは、きっと心が汚れているのでしょう!(号泣)

マントヴァ公爵は、1幕はそれなり。アリア「あれか、これか」でも、かなりブラヴォも掛かっていましたが、
この歌い方で疲れないか?と思っておりました。さて、2幕に入ると案の定、声が引っ掛かり始めます。

2幕冒頭のアリアでは、やはり客席にドヨドヨ…としたものが走り、2幕終了後のアナウンサーは「客席からは、暖かい拍手が続いております…まぁ、その、いくらかの騒音も…たぶん、(声の)ピッチについての事かと…」

スパラフチーレは良い声!

…フォルテとメッゾ・フォルテしか無いのか、おまえはっ!!!

だいたい、人殺し家業のお前が、でっかい声で

「人を殺しまぁ〜す!憎い方がいらっしゃいませんかぁ?
 マズい立場に追い込まれた方はいらっしゃいませんかぁ?
 素早く、確実に、その御相手を消してみせまぁ〜す♪」

なんぞ、街中で勧誘するかっ!ボケッ!!!

…いやぁ、良い声でしたぁ。

マッダレーナは、歌い手としては、1番良かったですね。他の歌手に比べ、目立たない役ですけど。表情もあったし…目立たない役ですけど、ええ。

ナポリのサン・カルロ劇場は、今年の夏は日本へ行くとか。「イル・トロヴァトーレ」と「ルイザ・ミラー」を持っていくと話していました。

きっと、高いんだろうなチケット…。

いやぁ、ライヴって、ほぉ〜んとに良いものですねっ♪

投稿者 Mamoru : 00:37 | コメント (0)

2005年05月12日

ラジオでオペラ その13:『ドン・ジョバンニ』

翌日の朝が早いのに、またも聴いてしまいました。今日のお題は『ドン・ジョヴァンニ』でした。

出演者は、

Don Giovanni:Erwin Schrott
Il Commendatore:Marco Spotti
Donna Anna:Mariella Devia
Don Ottavio:Giuseppe Filianoti
Donna Elvira:Barbara Frittoli
Leporello:Natale De Carolis
Masetto:Alex Esposito
Zerlina:Veronica Cangemi

Orchestra e Coro del Maggio Musicale Fiorentino
Direttore:Zubin Mehta
Scene e costumi di Bob Israel
Coreografia di Terry John Bates
Luci:Yves Bernard
Regia:Jonathan Miller

と言う事でした。

タイトル・ロールは、まだ32〜3歳の若手!
色々、仰る方がいらっしゃるかも知れませんが、立派なものでした。脇をベテランや中堅が固める…と言った公演だったのでしょう。

声はツェルリーナやドン・オッターヴィオが、パリッとして好感度大。

特に、ドン・オッターヴィオは、アリアをカチッと歌って、立派な貴族青年と言う感じが出て、グー!
あのテノールのアリアを、変にナヨナヨ歌われると、ちょっと女性的な感じがしちゃうんだけど、いやぁ、男の子の歌だった、あれは。

レポレッロのナターレ・デ・カロリスは、けっして美声ではないけど、やっぱり役者。
けど、意外と低音は無いんですね、この方。(それとも調子が悪かったな?)
同様に、マリエッラ・デヴィーアも決して美声中の美声な方ではない。けど、やっぱり巧い。

バルバラ・フリットリとアレックス・エスポーズィトも、良い声にて好演。
それから、騎士長役のマルコ・スポッティが、なかなかの声で良かった。なぜか、私が観た公演では、騎士長がヘロヘロしちゃっている事が多くて…そうすると、締まらないんだなぁ、オペラが。(苦笑)

いや、今回は良かったです。皆様、「おいっ!大丈夫かっ?」って瞬間が無かった…とは言いませんが、それは、ほれ、ライブですから!

指揮も良くまとまっていた、と思います。けど…やっぱり、モーツァルトって、難しい!!!

投稿者 Mamoru : 22:51 | コメント (0)

2005年05月08日

ラジオでオペラ12:よっしゃあ、スカラ座!『エレクトラ』

さて、本日は、スカラ座のストが中止になって1回目の本番で、ミラノ・スカラ座アルチンボルディ劇場からの中継でした。

ミラノ・スカラ座は、皆様御存知の通り、大揺れの状態です。
ムーティ辞任後やった、無料コンサートなんかでも、ムーティ派の連中からオーケストラが、かなりブーイングを受けたり、大変だったのです。
また、辞任1ヶ月後、ウィーン・フィルを率いたムーティのコンサートが大成功(表面上は少なくともそうです)だったので、今日のスカラ座の公演は、なかなか興味深いものでした。

結果は…

大成功!!!

告白致しますと、私は、そんなにR・シュトラウスを聴く人間ではありません。
エレクトラ」も、実際、舞台を観た事がありません。しかし、今日の公演は、なにか引き込まれるものがありました。
けっして、歴史的名演にはならないかも知れないけど、素晴らしい公演でした。

最後のオケの音が鳴らされたあと、「よっしゃ!来るだろ、これは…いや、来いっ!」と思ったら、客席から「ブラヴォ!」の声が沸き上がりました。スカラ座の講演で聴いた、久し振りの熱狂の雰囲気です。

いやぁ、良かった…、苦しい時期を過ごしているテアトロが、しっかり結果を出しました。なんか、ちょっとグッと来ました。(苦笑)

一応、キャストを。


Klytaemnestra:Felicity Palmer
Elektra:Deborah Polaski
Chrysothemis:Anne Schwanewilms
Aegisth:Robert Brubaker
Orest:Alfred Walker
Der Pfleger/ Ein alter Diener:Ernesto Panariello
Die Vertraute/ 5. Magd:Margherita Tomasi
Die Schlepptraegerin/4. Magd:Soojin Moon
Ein junger Diener :Bernhard Berchtold
Die Aufseherin:Sae Kyung Rim
1. Magd :Elizabeth Laurence
2. Magd :Anne Salvan
3. Magd :Christiane Oertel

Orchestra e Coro del Teatro alla Scala di Milano
Direttore:Semyon Bychkov
Maestro del Coro Bruno Casoni

Regia:Luca Ronconi
Scene:Gae Aulenti
Costumi:Giovanna Buzzi

正直に言って、タイトル・ロールは少々声が揺れ気味でした。それが、ちょっと残念。しかし、この役、ちょっと考えられない位、キツい役です。練習からオケ合わせ、ゲネ・プロと長い事やって来たのですから、少々は許しましょう。

歌手としては、オレステスの家庭教師役のバスだと思うんですけど、ごっつぅ立派!
兎も角、久し振りに熱の伝わってきた、良い公演でした。聴いていて、とっても嬉しかったです。

じつは今日、リッカルド・シャイーが、ミラノのヴェルディ・オーケストラを辞めて、ライプツィヒ(旧東独)のゲヴァントハウスへ行く、と言う記事が出て、ありゃあ!だったのです。

彼はミラノ人で、前からミラノ市民からスカラ座に望まれていた指揮者の1人でした。けど…ムーティの尻拭いは、嫌だろうなぁ。

兎に角、早くスカラ座が良い音楽監督を得られる様、祈っています。

投稿者 Mamoru : 16:09 | コメント (0)

2005年05月03日

路地の奥には……

あやしい……まだ、私がモデナに住み込む前のお話です。
当然、何回かこの街を訪ねた訳ですが、兎に角、初めて行く街は、歩き回らないと気が済まない。色々探検?しているうち、チェントロ*に細い路地を見つけました。

モデナは、小さい街です。そして、とても安全です。
が、この通りからは、なぜか危険な感じが…。

歩いて行くと、そこにあるのはホテル等のガレージの入り口と、倉庫の扉らしきもの、石畳。 見えるものといえばハトの糞ばかり…。 ちょっと、怖い感じがします。

そして、その道は行き止まりだったのです、が… 道の奥の奥、右側の壁沿いに、ワインの空瓶を発見!!

「何かの…メシ喰い処…だな?!」

人通りも無く、訊く当ても無ければ、確かめる手段もありません。
また、誰も居ない行き止まりのこの道で、誰かに襲われでもしたら、逃げようが無いではありませんか。

そそくさと、その場を後にして、その日は終わってしまいました。

それから、時は過ぎ、たまたま、ミラノの友人がモデナに来た時、丁度食事時だったので、例の道の奥を覗きに行かないか、と誘ってみました。道の入り口まで来ると、その友人は

「えっ?!…ここ?」

そうだ、と答えて、数歩、道に入りかけると、友人は

「ちょっ、ちょっと!辞めよう。怖いよ、変だよ、この道!」

そう、確かに、怖い。 モデナの歴史的中心街の、ど真ん中にありながら、周りにあれだけ人通りがありながら、ここだけは全く人通りが無く、ぽっかりと、周りから抜け落ちてしまったかの様です。
またも私の探索の結果は出せず仕舞いでした。

奥へすすんでいくと……そしてまた、数年が経ち、その時は既に、
同じくモデナ在住の goloso**な日本の方「S氏」とも、友人となっておりました。

そしてある日、S氏が私に曰く、

「Mamoruさん!チェントロに、すっっっごく美味しいお店があるらしいんですよ!!
なんでも、人通りが少なくてちょっと怖い様な道があって、その奥にあるんだとかで…。」

「…そこ、知ってる!」

「えっ?ほんとに??   そこねぇ、ゲットーの跡らしいんですよ。」

「なるほど! すんごく、雰囲気が変なんですよ。
 前にね、他の友人と行こうと思ったら、その友人が道に入った途端、怖いから嫌だ…って言い出しちゃって。だから、まだ行った事が無いんです。」

行きましょう!Mamoruさんっ!お供しますよっ!!」

善は急げ…で、あっと言う間に話はまとまり(これって善ですよね?)、2人は例の道の入り口に立っておりました。

「ね?…凄い道でしょ?」

「こりゃ、ちょっと1人じゃちょっと…。
 ボクもモデナは長いですけど、こんな道があるとは、知りませんでしたよ。それも、こんなチェントロに…。」

兎も角、食の誘惑に弱いです(私ではありません)。ずんずんとその道を奥へと進んで行きました。

やっと、行き止まり近くまで来ると、前には締まっていた鉄格子も開いていて、右の壁の扉の中には、人の気配もします。
おそるおそる、扉を開けてみると…。

小さいスペースには、テーブルが4つ。
その時は他の部屋があるのだろう、と想像しましたが、本当に4つしか無かったのでした。

そして、大きなお腹をしたシニョーレが、

「ボンジョールノ!」

と声を掛けて来ました。
こちらが2人だと言う事を告げると、入って左手前のテーブルに通されました。

この店の名前は、『ジュスティ』。
アクアパッツァのシェフ、日高さんモデナの「バルサミコ酢祭り」に招かれた時に、来ているお店です。

また、この店にとっては裏にあたる、表通り側にもお店を出していました。
ただし、表の顔は、お肉屋さん…と言っても生ハムとかサラミ…まあ、早い話が高級食材専門のお店で、ワインとバルサミコ酢も扱っています。(そのバルサミコ酢のラベルには “GIUSTI” と名が入っていて、有名で日本にも輸入されています。)

そして私達が店に入った時、対応に出て来たお腹の大きいシニョーレがご主人(Adriano "Nano" Morandiさん)、奥様(Laura Galliさん)が裏のレストランの厨房を取り仕切っています。

奥方は料理が得意で、旦那はワイン通…となれば、レストランを開いて奥様ご自慢のお料理を食べてもらいたい、というのはイタリア男性の理想なのかもしれません。(モデナだけなんだろうか??)
だから、テーブルの数も4つだけ。そしてお昼だけの営業。

そして、その料理は…エミリア料理であるのは勿論ですが、とっても上品。
私が知っているモデナ料理店の中でも、もっとも洗練された皿を出すお店の1つです。

特に絶品だったのが、baccala'(干鱈のペースト状にしたものポレンタのフライ添え)初めて食した時は、もう、笑うしかありませんでした!
もう、頬が上がって目尻が下がって… 本当に美味しいものに出会うと、人は笑うしかないんですね。

この料理、魚だからセコンド・ピアット(第2皿)だと記憶してしまって、その後、違う友人と行った時、セコンド・ピアットのリストに無かったので、

「あれ、バカラは?」と訊いたら、

「え?!あ、それ、アンティパスト(前菜)だよ!…あ…あぁ、言うの忘れちゃったな!」

と、注文したセコンドの他に、バカラを作って持って来てくれました。(笑)

それから、ドルチェ(デザート)のブリュレ(木いちごやブルーベリーののった焼きプリン)!!!
「うふふふ…」あぁ、もう顔が戻せない!(常にある訳ではありませんよ、このブリュレ。)

107-0775_IMG.jpgそれから、このお店のカンティーナ(酒蔵)、実はモデナのレストラン中、最高のカンティーナの1つらしいです。
初めてこの店を訪れた時、隣のテーブルのアメリカ人に、旦那さんがとあるワインを薦めていたのですが、それがモデナにあるまじき値段!!!
goloso なS氏と、顔を見合わせて「わお!」
まるで、ミラノの5つ星レストランに来てしまったかの様な錯覚に陥ります。

しかし、ここの旦那さんのオススメしてくるワインは、確かに美味い!
赤ワインと違い、白ワインは長く寝かせるのは難しいそうですが、とった白ワインは長く寝かせてありながらバッチリでした。
白が大丈夫なのですから、赤は推して知るべし!です。

それから、ジュスティの製品が、色々な国へ輸出されているせいか、旦那さんが英語を話します。
ただし、メニューはありません。奥様がその日、作れるメニューを、口頭で説明してくれるのみです。

ワイン・リストもありません。これも口頭で、予算をいえばお薦めを出してくれます。
ただ、頼めばカンティーナに入れてくれると様です。そこで、気に入ったのを頼む事も出来るでしょう。
客も相当の強者である必要がありそうですが。

そして、このレストランは時間が掛かりますので、時間のない方、せっかちな方は、無理です。
前菜からプリモ、セコンド…ワインも白から赤、最後にはグラッパ等で締めるまで、ゆっくりですが、しっかり、たっぷり食べて、飲んでゆきます。
お腹の容量の方も、それに見合うものが必要です。

あるときは、最後のカフェを取って外に出ると、とっぷりと日が暮れており、辺りは既に暗くなっていました。

「あぁ、これがイタリアの食事…。」

夕方おそーくなってしまった私たちが、シェフに外へ連れ出してもらえたのは、リストランテにとっての裏口、実はこの食料品店の 表玄関だったのです。


注:
*  チェントロ:中央/中心街/旧市街のこと
** goloso:形容詞/喰い意地の張った、食道楽の
    名詞/大食漢、健啖家

お店のデータ:
店名:RESTAURANT Hostaria Giusti
住所:Vicolo Squallore, 46 enter through Giusti grocery at Via Farini, 75 Modena
電話:+(059)-222-533
予約:必須(それも 1週間前じゃとれないことしょっちゅう!)
営業時間:ランチタイムのみ営業
しあわせ度:★★★★★
イタリア度:★★★☆☆

日本語のメニュー:なし
英語のメニュー:なし ただし、英語は通じます。
イタリア語のメニュー:なし
そのかわりといっちゃなんですが、日本の雑誌がおいてあったりする。

(イタリア度とは、英語や日本語の通じない度/メニューがあるかないか、英語がついているか/日本人向けに作られているか 等の総合判断です。)

投稿者 Mamoru : 21:59 | コメント (1)

2005年05月01日

スカラ座の行方…

新法王が選出された翌日(4月25日)、すべての新聞の第1面は、すべて彼の写真で埋まっていた訳ですが、その紙面をずーっとめくって行くと、小さくスカラ座のニュースが。

チューリッヒ歌劇場のアレクサンダー・ペレイラ氏を、スカラの新支配人に」

その後、とある方にお会いしまして、お話しする機会を得ました。

「スカラ座は、フランス/エクサンプロバンス芸術祭総監督の人を、支配人として連れて来ようとしているわ…え?…チューリッヒ?いつ聞いたの?…じゃ、私の方が新しい情報だわ。」

う〜む、まだまだ紆余曲折がありそうだ。

そのまま、ムーティの話になり、

「オーケストラのCapo(頭…トップ)が、何て言ったか知ってる?『あなたは frusta をもって指揮をしたが…』…frusta って分る?」
「わ、分りません。」
「ええと…ライオンとかを、これを使って…。」
「分った!鞭だ!!(鞭を振るジェスチャーをする)」
「そう、それ!…『あなたは鞭をもって指揮をしたが、音楽をする、と言う事は、それとは別の事の筈だ。』…20年近くも一緒に働いて来た人達から、こんな風に言われるのは…。」

この方、根も葉もない噂で話をする方ではありません。噂の時は「あくまでも噂」と断って話す方なので、まぁ、実話でしょう。

続けて、やはりムーティが他の指揮者を入れたがらない事を、問題として挙げていらっしゃいました。あまりに総てを自分でやりたがってしまったと。

この方も、ムーティの音楽的才能を否定していた訳ではありません。

さて、明日ですが、スカラ座で辞めた筈のムーティが指揮をします。え?『スカラ座のオケは振らない』と言った筈だって?

ええ、ウィーン・フィルを連れて来て、ハイドンの交響曲“驚愕”とスクリャービンの交響曲3番をやります。(ミラノ在住の舞台監督の方からの情報)


さて、先ほど、溜まっていた新聞を整理していたら、29日付の無料新聞「LEGGO」誌20面に、スカラ座の小さい記事がありました。(この日は久し振りにミラノに行ったので、4紙も手に入れていて、読み切れていなかった!)

見出しに、

『初日のスト、スカラ座に休戦』
【激動の状態は変わらず、労働組合の会合待ち】

おやおや、労働組合側は総ての演目の初日をキャンセルする…と言っていましたからね。なんか、動きがあったな、と思って読んでみると、

『スカラ座紛争に休戦。労働組合の代表者達は、もし、討論が続く状態だったとしても、演目の初日のストを延期とし、5月4日(水)に予定されている労働者の総会待ちとした。公式発表によると、Cigl、Cisl、Uil は、労働者の要求した通り、元支配人マウロ・メーリとマエストロ・リッカールド・ムーティが辞任したのを受けて、《県知事ブルーノ・フェッランテの熟考により、紛争の第1段階が望ましい結果となった為》、総会を招集する決定に至った。《演目の初日のストを延期する》という決定は、5月7日に予定される、リヒャルト・シュトラウスの“エレクトラ”(指揮:Semyon Bychkov)の初日から適用されるだろう。』

<注>
Cisl イタリア労働総同盟
Cisl イタリア労働者組合同盟
Uil  イタリア労働者連合
上記はイタリアの3大労働組合です。

投稿者 Mamoru : 14:06 | コメント (0)